作品紹介vol.17

本日は、中国の水墨画法で画かれた掛軸をご紹介します。筆者は大分県出身の帆足杏雨(ほあし きょうう)です。絵を見ると、山や枝幹に輪郭線を用いず墨のぼかしで作り、その上に墨の点を重ねて描きあげています。この墨の点描を米点と呼び、この画法を「米法山水」と言います。 署名は「杏雨道人写」、上の落款は「杏雨」下は「華楊」です。画賛は、渡辺千春(五歩)という人のようです。署名は「千春逸人」、印は上から「五歩」「千春」です。作品の真贋はわかりませんが、つい見入ってしまうほどよく画かれている掛軸だと個人的には思っています。ヤフーボックスに追加画像を投稿しています。下段の【詳細画像】をクリックしてご確認下さい。

掛軸 山水画 米法山水
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■帆足杏雨略歴

1810‐84(文化7‐明治17)
江戸末から明治初期の文人画家。名は遠,字は致大。別号に聴秋半農など。豊後国戸次(へつぎ)(現,大分県大南町)の資産家に生まれた。帆足家は代々書画を多く蔵し,また頼山陽や田能村竹田らが立ち寄って扁額や絵を残している。杏雨は幼少から絵を好み,竹田に学んだが,のち京に上って多くの文人らと交わり,独自の画風を形成する。山水画を得意とし,弘化年間(1844‐48)に朝廷の命で制作し,72年にはウィーンの万国博に《耶馬渓図》を出品した。

 

【作品詳細】

■帆足杏雨筆「米法山水図」 水墨淡彩

■模写

■印刷ではありません。絹本に画かれています。

■軸先材質:木

■合せ箱

■概略寸法(mm)

本紙:490×1230(絹本)

総丈:630×1950

軸長:695